七歩迷踪/Seven Steps Of Kung Fu 



『五遁忍術』等、張徹監督後期作品で活躍した程天賜主演の台湾作品。いかにもB級功夫片といった感じだが、これが中々面白い。全編に渡って実力派の面々による良質のクンフーアクションが楽しめる佳作だ。

主演の程天賜

うわ、かなりキテるなぁ・・・

ストーリーは、当方の英語スキルが足りない為イマイチ良く分からない。師匠・嘉凱のもとで修行の日々を送る程天賜、偶然街で金のメダルを拾うが、それは街を牛耳ろうとする悪党・常山に仕える「ファイブ・ハンズ・ギャング」と呼ばれる五人の手下達がそれぞれ身に付けている物だった。そして師弟は、メダルを取り戻そうとする手下達とボスの常山に狙われる事となる・・・という感じ。とりあえずそれほど複雑なストーリーではなさそうで、せめて中英字幕だったらもう少し理解できたかなぁ・・・




茶店で食い逃げしようとしたチンピラを退治した程天賜、店の娘からお礼に食事を持ってきてもらったりしてイイ感じに。この飯がやけにウマそう。ドンブリ飯の上に焼豚?やデカイ鳥モモ等が豪快に乗っている。


師匠役の嘉凱。地味だけどめちゃめちゃ動けるし、いぶし銀的な良い俳優だなぁこの人。『神腿』での劉忠良の世話役なんかも良かった。


羅鋭との共演等でお馴染み実力派悪役武打星・常山演じる本作のラスボスは功夫映画の中でもお気に入りキャラの一人です。

カッチョいい決めポーズ(僕の中でこの作品といえばコレ!)

バババッ!

びよょ〜ん

龍飛・金銘ら手下達に襲撃された嘉凱は重症を追いながらもなんとか逃げ延びる。業を煮やした常山は改めて嘉凱・程天賜の抹殺を命令。迫る闘いに備え程天賜は嘉凱に、よりハードな修行を志願するのだった。




奥義“七歩迷踪”を程天賜に伝授する嘉凱

修行後、手下達を一人一人片付けていく師弟。そして最後に残った龍飛を倒した嘉凱は遂に常山を追い詰める。






最後の闘いが始まった。両者一歩も引かない真っ向勝負を展開。


程天賜が合流し、師弟で常山に立ち向かう。果たして勝負の行方は?








程天賜・嘉凱vs常山の激闘は見応え十分。ストーリーが弱い分アクションでカバーするといったところか。

猪仔血涙/Sun Dragon 



荘泉利(ビリー・チョン)と、本格派黒人功夫スターのカール・スコットが
アメリカ西部の雄大な自然を舞台に大暴れする快作。


時は西部開拓時代。トラブルから故郷の中国を追われ、祖父の住むアリゾナへやって来たビリー。友人の働く酒場に暫くやっかいになる事に。


賭け喧嘩自慢大会に出場。あっさり勝利し賞金をゲットするが、地元の悪党達との間に因縁が生まれた。

一方、父親の経営する農場を手伝いながら平和に暮らしていたカールだったが、農場を狙ってやって来た三人の強盗犯・ジミー、ギブソン、マーに家族を惨殺され、ただ一人逃げ延びるも重傷を負ってしまう。
酒場の前で倒れている瀕死の状態のカールを発見したビリーは、急いで彼を中国人医師・クオの元へ運び込んだ。


クオ医師の手厚い治療と看護で一命を取り留めたカール。命の恩人であるビリーとの間に友情が芽生える。

回復したカール、功夫マスターでもあるクオ医師に弟子入りを志願する。「わしは功夫の師範ではなくただの医者。それに功夫など身に付けてもトラブルに巻き込まれるだけだ」と一度は断ったクオ医師だったが、カールの悲痛な訴えに心を動かされ遂に教える事に。

修行開始

素晴らしい豹拳を披露するカール。欧米人の功夫アクションはどこか違和感があったり胡散臭かったりする事が多いが、この人の功夫は本物だ。とにかくスピード・キレ共抜群。やはり我々とは生まれ持った身体能力が違う黒人が真剣にやれば東洋人は到底敵わないのだろうかと少々複雑な心境になる。


豹拳ポーズがやたらカッコいい。まさに黒豹。

天賦の才でメキメキ腕を上げ、いつしか師匠をも凌ぐ実力を身に付けたカール。親友となったビリーに、家族を殺した相手へ復讐に向かうためこの場所を離れる事を打ち明ける。ビリーは協力を申し出るが、「NO、これはリベンジ。自分の手でやるんだ」と力強く言い切った。

その頃、ビリーに賞金を持っていかれた地元の悪党が雇った刺客・ギブソン(カールの仇・強盗三人衆の一人)がビリー不在の酒場を襲撃、ビリーの友人とマスターを殺害。ビリーは怒りに燃え復讐を誓う。
こうしてビリーとカールは、奇しくもそれぞれが同じ仇を追う事となった。






良質のファイトシーンが続く。黒人武打星に多いフルコン空手系ではない本格派功夫のカールと、逆に空手スタイルを用いるビリーの対比が中々面白い。



ビリーはギブソンを、カールはマーをそれぞれ倒し、最後の敵ジミーとの闘いが始まった。鐵布衫(気功で鋼鉄の体になるアレ)を身に付けているジミーには打撃が通用しない。








鐵布衫の前に苦戦する二人だったが、師匠であるクオ医師の言葉を思い出したカールは弱点に気付く。そして合体攻撃で遂にジミーを倒す。


復讐を果たし去ってゆく二人。良い画だ。

荘泉利は僕のお気に入り武打星の一人なのだが、本作に関してはカール・スコットが素晴らしく、彼の方が強く印象に残った。特に、大人数の敵相手の場面で見せたスピード感溢れるキレキレのクンフー・アクションは圧巻。勿論荘泉利も相変わらずの綺麗な蹴りと小気味良い動きで魅せてくれる。大掛かりなアメリカ西部ロケも効果抜群だし、ビリーとカールの爽やかな友情物語も良くて普通の功夫映画とは一味違った感じが楽しめるお気に入りの一本です。

関係ないが、この二人が共演した『カンフー・エクゼキューショナー』のビデオを久し振りに観ようと思ったら見つからず凹んだ。処分したっけか?こりゃDVD買うしかないかなぁと思ったら廃盤でやんの!ま、そのうち再発される事を期待しよう・・

虎拳/Gold Snatchers 



僕が子供の頃出版された書籍『激突!ドラゴン武術』(和製ドラゴン・倉田保昭監修)は功夫映画のスチール写真に、倉田氏による「この写真の蹴りはナントカカントカで〜」といった感じの専門的な技術解説が付いており、さらに倉田氏が出演している日本未公開作品の珍しい写真が満載という非常に嬉しい内容であった。その写真を眺めては、当時は観るのが困難だった未公開作品達に思いを馳せたものだが、その中で特に幻想を膨らませていた作品がこの『虎拳』(73年)だ。

主演は、無類のタフガイ・陳星




虎拳!というストレートなタイトル、そして陳星と倉田による迫力バトルの写真に当時の僕は惹かれたのであった。その後長い年月が経過し、遂にご対面の時を迎える事になる訳だが・・・

冒頭、刑務所から出所する陳星。乳兄弟である龍飛の策略に遭い、無実の罪で収監されていたのだ。龍飛は、二人の母親の遺産である金塊を独り占めしようとしており、邪魔な陳星を何かと迫害していた。

陳星と骨肉の争いを繰り広げる龍飛と、その二人との三角関係に悩む幼馴染の陳燕鳳。昔ながらの清純派ヒロインといった感じ。

序盤から陳星のパワフルな空手アクションが全開







・・が、ずっと同じ相手(陳慧樓・柯受良・王太郎ら龍飛の手下達)と同じような立ち回りばかりなので次第に飽きてくる。

後半ようやく倉田さん登場!若い





流石に倉田のアクションはスピード・キレ共素晴らしい

本作最大の見せ場、陳星vs倉田のガチバトル









パワーの陳星とキレの倉田によるハイスパート肉弾バトルは迫力十分。延々殴り合い蹴り合うだけの大雑把な殺陣ともいえるが、この闘いに関してはそれが良い方に転んでいると思う。

ラスト、陳星必死の訴えに改心するかと思われた龍飛だったが、やはり裏切り行為に。陳星は刺されて深手を負ってしまう。



手負いの陳星、龍飛と最後の闘いへ

正直なところ期待外れだった。
幻想を抱いていた作品というのは得てしてそんなものだったりしますね。『帰ってきたドラゴン』のようなカラッと明るい感じの作品を想像していたが、それとはかけ離れた暗く陰惨なストーリー展開で、救いの無いエンディングも後味が悪かった。陳星のアクションもやや一本調子な所があり、通して見るのはやや辛い。ただ、陳星vs倉田のバトルは文句無しの迫力なので一見の価値あり。

スコーピオン・ファイター 



蠍子戰士/Operation Scorpio

この作品最大の見物は、サソリ拳の達人に扮した韓国出身の超絶キッカー・元振(ウォン・ジン)が見せる変態的キッキング・パフォーマンスだ。そのオリジナリティ溢れるムーブは何度見ても圧倒させられる。






奇妙な動きのサソリ拳






空中三段蹴りも軽々と

主人公の銭嘉楽(左)は、さえないマンガ家志望の学生。
ある日、悪徳商人・王に売られそうになった使用人・羅美薇(右)を助けるが、連れて逃げようとしたところを王の手下に捕まってボコられ、父親も大ケガを負ってしまう。


何とか逃げ延びた銭嘉楽父子に身寄りの無い羅美薇も同行し、父親の友人で食堂を営む劉家良の元へ身を寄せる。

劉家良の下で料理の修行をしながらボディビルのようなよく分からない武術も学び力を付けていく銭嘉楽、食材の鰻の動きをヒントにウナギ拳を開発。そんな中、羅美薇を取り戻そうとする王の魔の手が・・・

クライマックス、王の屋敷へ殴りこむ銭嘉楽と劉家良。

年齢を感じさせない功夫アクションを見せる劉家良。三節昆も見事。

ラストは劉家良・銭嘉楽が元振とそれぞれ一騎打ち。
ここでも元振の超絶テクニックが堪能できる。




元振の凄いところは足技だけではなく難易度の高いアクロバットも難なくこなす事で、これなんかもその一つ。前方に走りながらバック宙、着地後すかさずドロップキック!











決めポーズもバッチリ

苦戦する銭嘉楽、劉家良のアドバイスを受け徐々に反撃。

ウナギ拳。それほど大した技じゃないです(笑)




ウナギ拳vsサソリ拳、勝負の行方は・・

とにかく元振のアクションと異様なキャラ設定は抜群で一見の価値あり。あまりにもその印象が強過ぎて他が霞んでしまっている感はあるが、劉家良は存在感を見せているし、銭嘉楽も正義感の強いキャラを生き生きと演じており悪くない出来の作品だと思う。

激突!魔拳塾 



激突!魔拳塾/Devil Killer

ロバート・タイ監督のフィルマーク製ニコイチ映画。
唐龍(羅鋭兄の方)と柯受良の主演作に、追加撮影した羅鋭と程龍の出演シーンをくっつけたものだ。


お馴染み羅鋭(アレクサンダー・ルー)。身体能力の高さを感じさせるアクションは良いねぇ。


韓国のニセジャッキー・程龍(英語クレジットではジャッキー・チャンw)
わージャッキーそっくり(棒読み)

前半の主役はこの二人

モッサリ系の空手アクションがなんとも映えないズングリムックリ唐龍。


打点の高い派手な蹴りを連発する柯受良。最初チョイ役かと思いきや主役格だった。

この唐龍・柯受良パートは、いかにも70年代前半といった感じの古臭く洗練されていない功夫映画で、アクションはイマイチだし主役の二人もパッとしない為、かなりキツイ出来。しかも50分くらいあって苦痛だ。

二人が途中死亡し(ムリヤリな編集で殺されたように見せている)、やっと羅鋭と程龍が登場。ようやく盛り上がりを見せる本作なのであった。


羅鋭のアクションは見応えがあり、後半は結構楽しめる。


そしてこの作品といえばコレ!





本作最大の見せ場、羅鋭のシルバーヌンチャクアクション。
これ好きだなぁ。たまにこのシーンだけ見たくなる。

ラストは敵のボス・徐忠信とのバトル






昔国内版ビデオで初めて観た時、前半と後半の作品色の違いに唖然としたものだ。まるでオムニバス映画かと思った。
とにかく前半の唐龍パートがつまらなく、何故こんな古臭く野暮ったい映画とくっつけたのかが疑問だ。羅鋭兄弟共演という図式にしたかったんだろか?ラストで盛り返すものの、羅鋭作品としては『ニンジャ・ハンター』『忍者大戦』あたりと比べるとかなり落ちる。